楽しい子育てブログ

楽しく子育てをすることがモットー。電車オタクの息子2歳。何オタクかまだわからない娘0歳

クスっと笑える話 その1

大学時代の友人K君の話。

見るからにラグビー部というガタイをしたK君。

教育学部だったので、ある時音楽発表会があった。音楽系の学部も参加するということで恋愛経験少なめのK君はスクラム前みたいなテンションで音楽発表会に臨む。どうしても女の子にアピールしたいのである。

 

思ったより長い音楽発表会で1日かかるという。私たちの出番は午後だったのだけど予定より巻いたとかなんとかで昼休憩が2時間ほどになった。授業がないということとかわいい系の女の子がワンサカいるということで私たちはお祭りムード。学校に1番近いアパートの奴の家に酒を買って押しかけた。飲もう。音楽発表会で音楽科でもない私たちにクオリティを求める奴はいない。普通にこなせば単位が出るのだ。

 

会話の内容はあの子がかわいいだの、あの子は彼氏いるだの学生らしいものばかり。そこでお調子者のAが言い出した。「今日は目立ってKの彼女を作ろう」Kはノリは悪くないけど少しすましてて、最前線で目立つ奴じゃない。ただお祭り騒ぎの状態のAは止まらない。近くにあった黒のガムテープを取り出して、今考えればなぜそこに黒のガムテープがあったかは謎、Kを上半身裸にしてTMレボリューションみたいにしだした。Aは少し酔っていてKを説得しながら「脱がなくていい、絶対に脱がなくていいからこの状態でトライアングルをやってくれ。俺たちだけでも楽しもう。俺たちはお前がこの状態でトライアングルやってるだけで面白いから」今から考えると1番ガタイのいいKがトライアングルだってのも笑えるが、なぜかこの説得にKも同意。出来れば立って拍手を煽るぐらいはしようという意気込みでいよいよ本番へ。

 

先生には酔ってることはバレてない。このまま楽しめば単位は目の前。

 

 

 

演奏開始

 

 

 

事件が起きた

 

 

 

 

この昼休憩を別の所で過ごした目立ちたがりのCがネタを仕込んでいたのだ。スパイダーマンの全身コスチュームを服の下に仕込んでいてサビのところで脱ぎ出したのだ。持ってかれた。Kを含む軽く飲んできた連中はみんなそう思った。みんながKを見る。目立つ作戦失敗だ。またの機会に女の子をゲットしてくれ。頼む。そう思った瞬間。Kが立ち上がった。まるであしたのジョーのような立ち上がり方。そこまでは良かった。なんとKは拍手を煽るぐらいじゃ目立たないと踏んで上半身を脱ぎ出したのだ。TMレボリューションもどきの上半身だ。クオリティは相当低い。でも面白い。だってラグビー部だしかなり体が厚い上に何故か色黒でファジー人のような上半身に黒ガムテープぐるぐる巻きだ。ぜひイマジネーションをフル活用して想像してほしい。昼休憩から2時間ぐらい経ってるからよく見るに赤くただれ出しているのだ。私たちは爆笑。演奏どころじゃない。誰が脱げと言った?脱ぐなと言った!ダメだって。観客席を見た。案の定だ。かわいい子たちが軒並みドン引きしとる。そりゃそうだ、誰が音楽発表会でファジー人のTMレボリューションを期待したか?まだTMレボリューションが出てくりゃ盛り上がるだろう。100歩譲ってTMレボリューションの風の男が「妖精たちが〜」って歌ってたら盛り上がるだろう。そうじゃない。TMレボリューション風の男がトライアングル持って煽ってくるのだ。かわいい子たちは感じたことのない恐怖を感じたはずだ。これぞ内輪受け。なぜかKだけは満足そうだった。彼の新しい境地に到達したかもしれない。

 

女の子からのお誘いはもちろんなかったが、先生からは絶賛していただいた。

「何十年やってるけどこんなに面白かったことはない」と

 

今でも集まれば私たちはあの話になる